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質の良い睡眠をとる方法5選

2021.12.27

毎日当たり前の様にとっている睡眠ですが、睡眠が人間の身体にもたらす役割や、どの様なメカニズムで行われているのかをご存知ですか?また普段皆さんがとっている睡眠は、体にとって質の良い睡眠となっていますか?今回は、睡眠のメカニズム、また眠りの質を下げてしまう行動、逆に眠りの質を上げる良い睡眠をとるための生活習慣や食習慣などをご紹介します。

睡眠の役割とは

睡眠

睡眠というと、体の疲れをとるというイメージが強い方も多いと思いますが、実は睡眠の重要性は疲労回復だけではありません。脳の健康にとっても重要だという事が、睡眠の研究で明らかになってきています。睡眠という形で脳が休息をとったり、メンテナンスをしたりして、脳の機能低下を防いでいます。

眠りのメカニズム

以下引用

私たちは毎日ほぼ同じ時刻に眠り、同じ時刻に目が覚めます。この様な規則正しい睡眠リズムは疲労による「睡眠欲求」と体内時計に指示された「覚醒力」のバランスで形作られます。健やかな睡眠を維持するために、夜間にも自律神経やホルモンなど様々な生体機能が総動員されます。睡眠にはサイクルがあります。夢を見る「レム睡眠」と大脳を休める「ノンレム睡眠」が約90分周期で変動し、朝の覚醒にむけて徐々に指導準備を整えます。

三島和夫.眠りのメカニズム.e-ヘルスネット.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-002.html 厚生労働省(2021年)

引用ここまで

ではここからは、レム睡眠、ノンレム睡眠とは具体的にどの様な状態か見ていきましょう。

・レム睡眠

レム睡眠とは、体を休める役割を果たしていて、脳は起きていて体はしっかり休み、眠っている状態の事を言います。脳が活発に動いているので、記憶の整理や定着が行われます。目がピクピクと動いたり、複雑な夢を見たりします。起床後に夢を覚えている場合はレム睡眠の状態です。またレム睡眠の状態の時に目覚めると目覚めが良いとされています。

・ノンレム睡眠

ノンレム睡眠とは、ぐっすりと熟睡した状態の眠りで、脳や肉体の疲労回復のための役割を果たしていて、脳が眠っている状態の事を言います。夢はほとんど見ず、見たとしても覚えていない事が多いです。ノンレム睡眠は睡眠の深さによって4段階に分けられ、入眠直後の深い眠りの時に訪れます。

質の良い睡眠とは?

寝付きが良く、ぐっすりと眠れるて寝起きもすっきりしている事を、一般的に質の良い睡眠と言います。健康的な生活の観点から、睡眠の質を評価する指標は厚生労働省の資料で以下の様に示されています。

・昼と夜の時間に体温や自律神経のリズムが合っていて、昼と夜のメリハリがはっきりとしているる

・しっかりと睡眠時間をとり、日中に眠くなったりしない

・睡眠の安定性が確保され、睡眠サイクルが正確

・入眠までにあまり時間をかけずに適度な時間で眠れる

・覚醒のサイクルと睡眠のサイクルが合っている事

・目覚めてからスムーズに行動でき、寝起きが良い

・睡眠に満足感を得られる

・日中も疲労感が無く元気よく過ごせる

出展:第3章より健康的な睡眠を確保するための生活術|(厚生労働省)※2021年https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000036721.pdf

睡眠は、ただ体を休めるだけでは無く、体温調節、自律神経のバランスを整え、成長に関するホルモン分泌とも関係があります。脳や体に与える影響はとても大きいと言えるでしょう。ではここからは、どのぐらいの時間寝たら質の良い睡眠と言えるのか、質の良い睡眠をとるために気をつけるべき事などを具体的に見ていきましょう。

最適な睡眠時間とは?

必要な睡眠時間は年齢によっても変化すると言われています。成人の場合は1日7~8時間が目安とされていますが、65歳以上になると5~6時間が目安とされています。さらに季節によっても変化すると言われていて、日照時間の長い夏場は睡眠時間が短く、日照時間の短い冬場は長くなります。

極端に睡眠時間が短いと、日常生活においても弊害が生じてきて、仕事中にミスが多くなったりします。また健康面や美容面でも変化が現れ、慢性的な睡眠不足になると成長ホルモンを分泌する事ができないので、健康状態を維持しにくい体になったり、お肌のターンオーバーのサイクルが乱れ、肌の調子が悪くなってしまいます。この様に睡眠時間が短すぎると、体がしっかりと休む事ができないため、様々な悪影響が出てしまいます。

腰 腰痛 寝姿勢

逆に睡眠時間が長すぎると、同じ姿勢でいる時間が長くなり腰に負担がかかり、腰痛を引き起こす可能性が高くなります。また睡眠時間が長いと、浅い眠りのレム睡眠の時間の割合が大きくなるので、全体的に睡眠が浅くなってしまいます

睡眠時間は短すぎても長すぎても健康を損ねる可能性が生じます。寝不足を自覚する様な睡眠時間の短さは、健康を損ねる可能性がありますが、最適な睡眠時間は季節や年齢によって変化する物なので、あまりこだわりすぎるのも良くないとも言われています。自分に合った最適な睡眠時間を見つけてみて下さい。

理想的な寝姿勢とは?

睡眠の質は時間だけではありません。寝ている時の姿勢によっても大きく左右されます。立っている時の理想の姿勢は、背骨がなだらかなS字状にカーブしている状態です。寝ている時の理想の姿勢も、仰向けになってもこの状態を維持出来る姿勢、つまり横向きやうつ伏せでは無く「仰向け」が理想の寝姿勢です。この状態で寝ると、胃酸の逆流など消化系のトラブルも起きにくくなり、体の圧力が均等に分散されるため、血液が身体の隅々に循環しやすくなり、十分な休息を与える事ができます。また仰向けで寝ると寝返りを打ちやすくなり、血液循環が向上し新陳代謝が促され、疲労回復にも繋がります。

寝姿勢 理想

仰向けで寝る事は良い事ばかりに思えますが、実はそうでは無い事も。腰痛持ちの人や、いびきをかく人は、仰向けでは無く横向きで寝たほうが良いとされています。仰向けで寝ると腰に負担がかかったり、気道が狭くなってしまいますが、横向きで寝ると腰に負担もかからず、気道が狭くならないのでいびきを抑制でき、良質な睡眠を得られて脳をしっかりと休ませる事ができます。

この様に、基本的には仰向けの寝姿勢がおすすめですが個人差があり、また使用している寝具が合っていないと、それにより睡眠の質が下がってしまう場合も。自分の体型や体質に合った寝具を選んで、正しい寝姿勢を意識して睡眠時の環境を整える事により、睡眠の質が上がります。

睡眠の質を下げてしまう行動

睡眠 質 下げる 就寝前 行動

睡眠時間は適度に取れているのに、なぜか毎日疲れが取れない。この様なお悩みをお持ちの方は、気づかない内に生活の中で睡眠の質を下げてしまう、これらの行動をしているのかも。

・寝る直前までスマホやパソコンを見ている

夜 スマホ スマートフォン

スマートフォンやパソコンなどの液晶画面が放つブルーライトは、太陽の光に近い性質のため脳が時間を誤認識して活性化してしまい、寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなってしまいます。就寝時の1時間前からはスマホを見ないなどの習慣づけが必要です。スマートフォンによってはブルーライトカットが出来たり、液晶に貼るシートでブルーライトを抑える物などもあるので、それらも上手く活用しましょう。

・寝る直前までカフェインやアルコールを摂取する

カフェインは眠る時に必要な副交感神経の動きを鈍くし、覚醒作用が強く働き、目が覚めてしまって眠れなくなる可能性があります。また寝る前のアルコールは、代謝される時に脳が活性化してしまうなど、レム睡眠、ノンレム睡眠の睡眠リズムが乱れて熟睡出来なくなってしまいます。カフェインを含むコーヒーや紅茶、緑茶やアルコールを寝る前に摂取する事は避けましょう。

・夜に激しい運動をする

夜 運動 スポーツ

寝る前に激しい運動をしてしまうと、体温が上がってしまい、眠る準備をしていた体が目が覚めてしまいます。また体温が下がるまで時間がかかるので、入眠の妨げとなってしまいます。さらに運動をする事により交感神経が刺激されると興奮状態となり、リラックス状態への切り替えがスムーズに行えず睡眠を妨げてしまいます。

・就寝前に食事をする

食べてすぐ寝てしまうと、就寝時に消化途中の食物が胃に残ったままになってしまい、体は食物を消化する事を優先してしまい、内臓がしっかりと休む事が出来ないので睡眠の質が下がり、眠りが浅くなったり疲れが取れにくくなってしまいます。胃腸が食物を分解、消化するには3時間かかります。そのため基本的には、就寝3時間目には食事を済ませて、胃腸の中に食物が残ったまま就寝しない様にしましょう。

質の良い睡眠をとる方法5選

質 睡眠 方法 5選

睡眠の質を上げるためには、ここまでご紹介した睡眠の質を下げてしまう行動に気をつけたり、睡眠環境を改善していく必要があります。ここからは睡眠の質を高めるためにおすすめな方法をご紹介します。

・決まった時間に起きて朝日を浴びる

毎日同じ時間に起きて太陽の光を浴びると、人間の脳は覚醒され体内時計がリセットされて、睡眠と覚醒のリズムが整います。家の照明の光でも体内時計が遅れてしまうので、夜は照明を暗めにして、朝は起きたら必ずカーテンを開けて、太陽の光を浴びましょう。さらに朝食を食べると、体を目覚めさせると同時に日中働くためのエネルギーとなります。

・日中に適度な運動をする

運動 ジョギング ランニング

寝る前の激しい運動は睡眠の質を下げてしまいますが、日中の適度な運動は体が適度に疲労するので自然と寝付きが良くなり、深い睡眠が得られ、さらに習慣化する事で生活のリズムも整います。運動習慣が無い方は、軽いウォーキングなどの有酸素運動から始めてみましょう。

・ぬるめのお湯でゆっくり入浴

忙しいからと入浴をシャワーで済ませてしまう方も多いですが、湯船に浸かる事は体をリラックスさせて、疲れをとるためにとても重要です。入浴によって体の内部の温度が一時的に上げるので運動と同じ様に寝つきを良くし、お風呂から上がって体温が下がる事により、体が眠る準備を整えやすくなり、深い睡眠を得る効果があります。入浴後に体温が下がるまで約1時間かかるため、入浴は就寝1時間前がベストのタイミングです。

入浴 お風呂

またお風呂の温度も重要で、熱いお湯に長時間浸かっていると体が覚醒しやすくなり、体への負担も大きく、寝付きが悪くなります。38度程度のぬるめのお湯に30分程浸かって、体をじっくり温める事により、リラックス効果も得られ、寝付きが良くなります。

・温かい飲み物を飲んで気持ちを落ち着かせる

寝る前に温かい飲み物を飲むと体が内臓から温まり、血行が促進されたり、リラックス効果が得られ、睡眠の質を向上させてくれます。冷え性の方にも効果的で、体が温まる事により快眠の手助けをしてくれます。飲み物の種類としては、前述した様にカフェインは覚醒作用が強いので、カフェインが入っていない物が望ましいです。具体的には、香りに鎮静効果のあるジャスミンティー、糖質によって疲労回復効果も期待できるホットココア、体を温める効果のあるホットジンジャー、また白湯にハチミツを入れて飲むのもおすすめです。

・寝室をリラックス出来る環境に整える

就寝前はアロマオイルやスローテンポの音楽などで、心身ともにリラックスをしましょう。アロマの香りは自律神経を整えてくれる香りや、ストレスを和らげてくれる香りなどもあるので、好みの香りを見つけて使うとより効果的です。香りや音楽でリラックスをすると、入眠がスムーズになるのでおすすめです。また室内の温度や湿度も睡眠の質には重要です。季節によって適切な温度や湿度も変わってくるので、暑すぎたり寒すぎたりしない様に、季節に応じて調整しましょう。

寝室 寝具

さらに質の良い睡眠を得るためには、自分に合った寝具を選ぶ事も必要です。今使っている寝具が首や肩、腰への負担が少なく自分に合った寝具であるのか、一度見直してみるのも良いかもしれません。もし枕やマットレスが合っていない場合には、タオルを使って調整してみましょう。枕とマットレスの間を埋めたり、ヘタってしまった腰の部分に高さを調整して敷いてみたりと、タオルは寝具の細かい調整に最適です。

質の良い睡眠で健康な毎日を

気づかない内に習慣化している事が、実は睡眠の質を下げてしまっている場合も少なくありません。睡眠の質が下がると、心身ともに健康が損なわれます。眠るという行為は私達が思っている以上に重要で、睡眠の質を高める事により、体調を整えるだけでは無く、集中力も上がり仕事へも良い影響を与える事が出来ます。完璧に睡眠の質を上げるポイントをこなそうとするのでは無く、少しずつでも意識をする事で、徐々に睡眠の質は高まっていきます。入浴や食事など日頃の生活習慣や寝室の環境など、改善しやすい所から意識してみてましょう。

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